株式会社ナウハウス
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ナウハウス所長の鈴木です。今何を感じ、どのように建築に向き合っているのかを伝えていければと思います。
ナウハウス一級建築士の高橋です。設計を通して感じたことや現場の進捗を気軽に綴っていきたいと思います。

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リノベーションの、幸福の「アフター」
2014-01-29
大規模な改修工事で、用途や機能を変更し、あるいは性能を向上させる工事をリノベーションといいます。時代の変化にあわせた大掛かりな工事で、リフォームと区別しています。
 バブル崩壊後、資源の持続維持の観点からスクラップ・アンド・ビルドの反省の風潮が出てきました。「使い捨て」から「もったいない」への変化です。1993年、ナウハウスに築8年の歯科医院兼住宅(鉄筋コンクリート造2階建て)の増改築の依頼が来ました。増改築は建築の醍醐味がみんなに分かりやすく、私も大好きで楽しく仕事をしていました。
 依頼者は、築8年の建物自体には満足していましたが、歯科医院が順調に発展したこと、子供が増えたことから医院、住宅ともにスペースの拡張を考えることになりました。当初、別敷地に住宅を建て、この建物を医院だけに改築することを考えました。しかし思うように新しい宅地を入手できず、複合用途のまま増改築することを決心しました。ナウハウスが悪条件の敷地を逆手に取り、建築の魅力を引き出していることに関心を持っての依頼でした。
 依頼者は、元の設計者を含め、何人かの設計者に相談しました。現況の建蔽率60%ぎりぎりで増築が難しいこと、築8年しか経っていなかったこと、「冷やかしと思われている」(施主)ところもあったそうです。「いっそ解体して立て替えたほうがいいのでは」(施主)という迷いもありました。
 
ナウハウスの判断は以下のとおりです。同じ予算なら、新築するより既存躯体を生かした増改築のほうが有利と考えます。増改築という与件も敷地条件の一つと捉えれば、設計で新たなデザインの切口が見つけられることもあり、難しい条件だが、成功すればメリットはかなり大きいと考えました。
 既存建物はRC造のラーメン構造で、3スパンの単純な構造フレームでした。敷地が軟弱地盤で、16mのPHC杭で支持されまだ余力がありました。新築した場合、新たな杭工事は既存杭と絡んで、困難な施工になると思いました。これらを考えると、建蔽率さえクリアーできれば、増改築は可能であると考えました。
 それを解決する名案が閃きました。3スパンのラーメンの中の診察室をパティオとする「減築」です。光庭を建物の中に抱くことによって、都市の中に住環境を見つけることができます。そして光庭で切り取ったボリュームを全面道路側に増築し、余裕のある容積率を使って、3階を軽い鉄骨造で増築するという提案です。
 できる限り既存躯体を生かし、正面以外の3面の外壁や開口部もそのまま再利用しました。上部躯体ばかりでなく、杭工事を軽減できたこともコストメリットが大きいと思います。内部は仕上げや設備は全く新築同様です。工事費の軽減と近隣対策、あるいは時間の短縮で、幸福の「アフター」は実りあるものになりました。
 
木造の在来工法では構造まで関わるリフォームはよくありましたが。当時、鉄筋コンクリート造で既存を換骨奪胎するリノベーションは珍しかったと思います。20年前の話です。その後2004年に、富士市の「OFとBYとFORの家」で鉄筋コンクリート造のリノベーションを行いました。このとき、ダブルウォールとして断熱性を増し、そこに配管スペースを設けるなどリノベーションの新たなメリットを発見しました。増改築のハンディは全く感じさせないものと自負しています。なぜなら、竣工写真を撮ったベテランの建築カメラマンは、増改築であるとことを明かすまで、全くそれに気づかず撮影をしていたのです。

(歯科医院兼住宅の増改築は「住宅再生の経済学」の特集で、日経アーキテクチュア1996年4月22号に詳細に紹介されています)
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